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先週の絹代ちゃん特集

 投稿者:たかぎ  投稿日:2009年10月19日(月)22時26分42秒
編集済
  先週はほぼ日参、のフィルムセンター絹代ちゃん特集。
「花篭の歌」「愛よ人類と共にあれ」「晴曇」「若者よなぜ泣くか」の4本。かなりおなかいっぱい。
「花篭の歌」は、大好きな五所平之助監督の作品で、だいぶ前にビデオでは見ているのだけれど、記憶も薄れてきたしやはりスクリーンで見たくて参りました。うん、主題歌もいいし、笠智衆の偽ぼんさんをふんする学生さんもいいし、李さんという中国人板前さんの徳大寺伸も純情青年を演じてていいし(この人あんまの役もうまいし、すごいよねー)、佐野周二はやっぱりさわやかでかっこいいし(この頃はほんと男っぷりに磨きがかかってますよねー)河村黎吉はいわずもがな、おじさん役の谷麗光ですら、ちょっとしか出てなくても出るところではまたいい味(岡村文子の奥さんに尻に敷かれているようで、実は大人、みたいな)。こんなとんかつ屋さんで一杯、なんていいなー。近藤敏明でなくても、通っちゃいますね。やはりこの作品での五所ファン的みどころはやはり徳大寺伸の純情可憐な男子ですかね。忍ぶ恋に苦しむ李さん、笠智衆の罪のないうっかりに傷つく李さん。ヨヨと泣き崩れる李さん。なんかカタコトの日本語もどこかイタイケ。「弱い男子」を描かせたら右に出る人いないのでは、というのがわたしの五所監督作品観です。
帰りは柳下美恵さんと2人で女子飲み。このカウンターに河村黎吉や佐野周二がいたらねーなんて、ひと時楽しく。こういう映画を見ると、ほんと一杯やりたくなるのです。

そうそう、男子といえば、やはり男子映画というものがある、とおもったのが「若者よなぜ泣くか」。基本つまらないと一時は断定しそうになった牛原虚彦ですが、今回はじめてみたサイレントの中ではダントツ面白かった〜。佐藤紅緑の原作なんだけど、やはり少年小説作家だけあって、物語としては「男の子の友情」と「成長」の物語なんだよね。吉屋信子原作が美少女が織り成す乙女の映画ならば、佐藤紅緑原作は美少年が織り成す「男子映画」なのです。
というのも、ときおり説教が混じるんです。鈴木伝明に、山内光の気持ちをわかってやれ、と説き伏せる岡田時彦。鈴木伝明と岡田時彦に、あなたたちはまだ山内光クンのことをもっと助けられたはず、みたいなことを説く岡田時彦のお母さん(名前不明)。「男子たるもの、まっすぐに誠実に、純粋に、正しい道を貫くのです。そして思いやりをわすれずにいなくてはならないのです」という、説諭が時々混じるんですね。軍国主義に染まる前の、ひと時の時代だからこそ、こういう美しい説諭が成り立つ時代だったのかもしれません。
そして、だからこそ、どうでもいい扱いともいえる女子チーム、田中絹代と川崎弘子。途中、田中絹代と岡田時彦は一回も出会っているシーンがないのに、絹代ちゃんに「ほんとは好きなんだろ」みたいなことを言う伝明。そしてまんざらでもない絹代ちゃん。えー??そんな伏線どこにもナカッタゾー???
そしてひどいのが、川崎弘子が毒薬自殺をしたと兄の小林十九三から聞かされても、小林十九三が許せないあまりに助けにもいかずに放置の伝明。オーイオイ。基本女はどうでもいい、もしくはスゴイ放蕩放埓な悪の華(吉川満子、筑波雪子の2人の描き方とかスゴイ悪いし)。吉屋信子もので、ひどい悪辣な男性が出てくるのの、ちょうど逆パージョンてな感じですかね。
細かいことですが、年齢の設定からいって、まだ20前後ぐらい?冒頭のシーンは高校のラグビーの試合だし。なのに編集長とかしちゃってる岡田時彦、すでに高校生で作家のタマゴとして有閑マダムから追い掛け回される山内光・・・。伝明にしても高等学校の休みに上京、そして家出っていう展開の早さからして、どう考えてもティーンなのだが、あきらかに老け過ぎてるし。
しかし岡田時彦はほんとかっこいいですね〜。それに引き換え伝明ですが、「だれかに似てる、うーん思い出せない」・・・・と悶々としつつ、「あ、そうだ花菱アチャコじゃん。。」と気がついてしまってからはそれはもう二枚目としては見れなかったわたし。

「晴曇」は、沢登さんも前説でおっしゃってましたが、久米正雄の実体験が元になってる小説なんですってね。興味がわいていろいろ調べてみたら、師匠の夏目漱石の娘筆子さんに横恋慕、筆子さんは違うお弟子さんを結婚相手に選んだらしいのですが、もうその失恋をネタに小説2作も書いてあたっちゃった。ってことらしいです。
どうりで映画も、えー、なんだろうこの大日方伝と栗島すみ子のヒドカップルの描き方は・・。と思ったのですよね。でもどう考えても、栗島すみ子は大日方選ぶのは別に悪くないよねー、こんな未練がましい岡譲二よりもねえ。とか思ったりしましたけど。結婚式とか呼ばれていくなよなー。
ということで、久米正雄のプライベートに俄然興味が沸いてしまいました。
と、そうそう、この映画の結婚式に出てくる、当時の帝国ホテル。フランク・ロイド・ライトで有名な名建築ですが、これ、セットで再現しているのですよー。明らかにロケではないと思えるところがあったので、セットだと思います。この再現はスゴイなー。セットさんがんばったのねえ。

「愛よ人類と共にあれ」、これ、島津は企画の壮大さにちょっと失敗しちゃったチックでしたね。3時間、ナゲーよ。実験的な手持ちカメラのアクション的な移動、乱闘シーンのすごさ(あれぜったいけが人いるよね)。新しいことやってやる、っていう意欲は感じました。
最後は、あれアメリカ?うーんタイトルも意味不明だと思ったけど、そこにいきつくから「人類」なのか??
 

太田ナンボさんへ

 投稿者:たかぎ  投稿日:2009年10月19日(月)21時35分47秒
  「銀座カンカン娘」、ライブではよくやってたらしいですね。ネットで調べると幻の「駅前旅館」(このタイトルもまた映画!)というアルバムに収録されるはずだったらしく、でも、幻に終わってしまったらしいです。
太田さんの日本のポップスとの馴れ初めですか・・。すばらしくファンキーでキャッチーな演奏だったらしいし、ぜひ聴きたいですね。復刻してくれないかな。音源あったらだけど・・
 

ぽんさんへ

 投稿者:たかぎ  投稿日:2009年10月19日(月)21時18分27秒
  フォーククルセイダーズもミカバンドも、すんばらしい曲の数々を生んでますよね。解散のときの記憶があるんだースゴイ。

「兄とその妹」、ぽんさん気に入ってくれてうれしいです。佐分利信の男らしさとか、いいですよね。「浅草の灯」、ずいぶん前に見たから記憶がちょっと薄れてますが、高峰三枝子をめぐる男の子たちのドラマ、ってかんじで、いわずもがな上原謙がすてき(演劇青年ぽいロシアコスプレがまたイカス)。「男性対女性」は島津ファンなら必見〜。最近の絹代特集で結構??な作品もあったので、玉石混合という気もします。「上陸第一歩」とか死ぬほどつまらないし。東宝作品だけど「嫁ぐ日まで」なんかもおすすめです。

ヴォーリズ、ぽんさんちの方面からはわりといきやすいエリアなのかしら。ほんとぜひいってみてください。あそこも入れるここも入れる〜♪って感じで。駒井家住宅は外観だけ観にいきました。でも中をぜひ機会があったら観にいきたいとおもっています。なかなか公開日と京都行きの日程があわなかったもので。関西はたくさんみにいかなくちゃいけないところがあってタイへーン!今回近江の近代建築本もヴォーリズ展の物販で手に入れ、大津、彦根などなどいろんなところにいっぱいあることを知り、またこなければとおもった次第。
 

黙祷・・・

 投稿者:太田ナンボ  投稿日:2009年10月19日(月)01時45分7秒
  もう35年前になるかと思いますが、ミカ・バンドが演奏する「銀座カンカン娘」をラジオで聴いたのが日本のポップスとのなれ初めであり、昔の日本映画に興味を抱くきっかけでもありました。
この音源はレコードやCDに見当たらないところをみると、おそらく番組内でのスタジオ・ライブだったようですが、スターダスト・レビューや本家・高峰秀子版すら差し置いて、あのミカ・バンド・バージョンをもう一度聞きたくてなりません。
 

こんばんは

 投稿者:ぽん  投稿日:2009年10月18日(日)20時32分23秒
  加藤和彦さんわたしが知っているのは、おもに新聞に載っていたような「帰って来たヨッパライ」とか「タイムマシンにお願い」とかなんですが、パンチがあってすごくすきでした。「ヨッパライ」のあと解散したとき、こどもだったのだけど「なんで?」ってとても思いましたよ。
あ、「どんたく」とかもかな?あれもなんだかかっこよくて力強かったなー。

話はかわりますが、高木さんのご紹介をみて、島津保次郎監督に初挑戦してみました。
「兄とその妹」と「浅草の灯」です。
「兄とその妹」は高木さんが書いておられるようにディテイルの描き方がとてもすてきだし、作られた頃って日本が戦争にひた走り、って時期だったと思うのですが
とってもモダンですね〜。撮影の仕方もおもしろかったです。
そして、2作ともわりと意外な方向に話がいきましたね。
「浅草の灯」も愛すべき学生さんなんかがいっぱいでてきて機微の表現がとてもすてきでした。あ、「兄とその妹」で、佐分利信の部署の計算まちがう人の表現とかもおもしろかったなぁ。。

下に書いてある「男性対女性」もみてみようと思いますが、また島津監督でおすすめあったら教えてください。

あ、それと、ヴォーリズ建築いいですよね〜。近江八幡はほんとたくさん集まってますものね〜。京都の駒井家住宅とかも行かれたことあったのでしたっけ?小さいですが・・
 

これ、すごい好きでした。

 投稿者:たかぎ  投稿日:2009年10月18日(日)03時08分16秒
  まさに世界一周の夢を見ました。佐藤奈々子さんとのコーラスがすてきでした。
大人の男女の夢。

http://www.youtube.com/watch?v=ZwZadkx1dEk

 

わたしのトノバン

 投稿者:たかぎ  投稿日:2009年10月18日(日)02時49分8秒
  訃報を聞いてずっと泣き通しで彼のソロを聞いています。
あのすばらしい音楽をありがとう。
ほんとうに好きでした。すでに2時間ぐらい泣き通し。
わたしの青春でした。
わたしのあこがれのズズとともに、いっしょに、どうか幸せに。
ハリーズ・バーで逢いたい。ソング・フォー・ベネティア。ルンバ・アメリカン。世界一周をさせてもらった。音楽で。
ニューヨーク・コンフィデンシャル。この曲を聴くと、911で死んでしまった人を、思い出します。そんなことたぶん予期していなかった時代だとおもいますが、なにか、いまはいない人のことを思い出しつつ。涙涙。


http://www.youtube.com/watch?v=OD2HPzNM5D4&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=-ApGry_xtcw&feature=related
 

絹代ちゃん特集はじまった〜

 投稿者:たかぎ  投稿日:2009年10月11日(日)19時43分48秒
編集済
  えー、なにやらご無沙汰でごめんなさい。映画のことも散歩のことも展覧会のことも、いっぱいいっぱい書きたいことがありますが、あいかわらずのおさぼり状態。すみません。

先週末は一人旅、「ヴォーリズ展in近江八幡」にいってきました。→http://vories.jp/
地元ではヴォーリズさんと親しまれているヴィーリズさん、建築家以前に宗教家であり、しかも近江兄弟社という事業家でもあったという、それは面白い方であるということがわかりました。地元のボランティアの方もアットホームでいい雰囲気。町家がたくさん残ってて昭和の名残チックなところもあり。魅力的な町でした。
いっぱい写真を撮ったのでいずれどっかにアップしようかな。

映画のほうというと、関わっていたシネマート中川信夫特集とフィルセン山中貞雄がかぶったりとかしてて、山中は断片は一つも見れず。しかし「山中パラパラ漫画」これがスゴイ!!!モブシーンや殺陣など、流れるように畳み掛けるように展開するのでした。
おーいおい、こんなものをさらっと辞書の片隅にやってのけるとは、やはり天才。「恋と十手と巾着切」のリメイクは山中脚本にはやはり勝てないなあ。あの軽妙さはサイレントならではなのかもしれないけど。
フィルセンの地下の「映画の教室」でやってた石田民三「花ちりぬ」。念願かなってやっと見ました。うーん、女たちのドラマすべてが屋内で展開するのだが、かなり実験的なことをやってたわけですね。しっとりとした女優たちのアップの美しさ、たたずまい、流れるようなカメラのカット。どこまでも美的。動く日本画を見るよう。花井蘭子って石田民三の映画では、ほんと光っているなあ。

さて、おまちかねフィルムセンターでの絹代ちゃん特集はじまりました。「お小夜恋姿」「男性対女性」「進軍」「感激時代」「金色夜叉」と続けてみております。
「お小夜恋姿」、正直、島津らしからぬ。うーん??。なぜ劇中劇のスタイルをとっているのかもわからん。アイドル絹代ちゃんに性格の違う2役をやらせたかっただけなのか。小唄映画ですから、まあたわいもなくてよいのですけどね。河村黎吉の番頭にナイフでおどされたからって、あれ〜駆け落ちしちゃうの?それで、絹代のその後はハッピーORアンハッピー?どっちなの?取り残されたのはわたしだけだったのかしら・・・。
「男性対女性」は、以前ビデオで見ているのですが、スクリーンで見たくて再見。うーん、もうステキすぎる上原謙サマ。スーツやワイシャツがほんと絵になるお方。まっすぐで家族思い。もう理想ではないでしょうか。そしていかにもからっとした現代娘である桑野通子。
ライト係のサロペット姿もかわいく。レビューシーンも豪華、そしてブルジョワジーの生活ぶりも豪華。松竹大船撮影所完成記念映画らしく「大船に移ったからにはいっぱいすごいとこ見せなくちゃ」的ケレン味もたっぷり。佐分利信があいかわらず渋くって、にえきらず女につれないキャラなのもいいですね。絹代ちゃんのめがねっ娘萌えも楽しめます。そしてー、えー蒙古〜!スケールでかっ。
それにひきかえ「進軍」、びっくりするぐらいつまらない映画だった・・・沢登翠さんと伴奏はよかったのですが、活弁もしくは演奏なしではとても見れないかも〜。
とにかく戦争シーンが長すぎだあ。飽きてしまいました。ドラマ部分もメロドラマが弱くって、なんかいまいちだしなあ。「感激時代」も見たけど、まあカレッジもの企画をこなしたという感じで。牛原虚彦って基本つまんないんじゃ。こりずに「若者よなぜ泣くか」はいきますけれども。
とぼやきも入りますが、松竹蒲田・大船がいっぱい見れてうれしいうれしい。フィルメックスも楽しみだし。
 

悠閑雲さんへ

 投稿者:たかぎ  投稿日:2009年 9月18日(金)21時11分37秒
  先週末は酒豆忌、そして今週は出張、などなどでお返事遅れてごめんなさい。
建築スキにはたまらないスゴイねたをふっていただき感謝至極です。
残念ながら、最近および今月のCS放映に追いついていないたかぎ、あげていただいた作品、「河口」以外はすべて未見・・すみません。
新宿周辺、旧李家(これは現存してますが)、旧大阪裁判所、旧東京中央電信局、旧東京中央電信局、旧第一相互館・・いずれも映像の中で残っているという幸せをかみしめてみたいです。
番匠監督、建築好きだったのかな?なんかそんな気もします。東京や大阪の都市モダンをおっかけて、音楽や建築、ロケ地にもこだわったのかもしれませんね。
 

映画の中の建築

 投稿者:悠閑雲  投稿日:2009年 9月10日(木)22時42分43秒
編集済
  今月もCSで古い日本映画を堪能しています。背景のロケ地に留意しながら見ていると、今は失われてしまった風景や建物が映し撮られていることに気付きます。マニアックな話題で申し訳ないのですが少しカキコさせていただきます(かなり長文駄文で恐縮-.-;)。
レトロ建築好きな店主さんなので、たぶんご寛容なるお気持ちでご容赦していただける・・・・かな?

番匠監督作品「オンボロ人生」(1958年)冒頭背景に『新宿松竹座』という建物が映っています。その前の空地に建てられたバラックから住人たちが追い立てられるところからこの映画は始まります。
『新宿松竹座』があるロケ地はどこでしょうか、知りたくなって調べてみました。手元の古地図を調べてみると、新宿駅南口、甲州街道沿いの現在大塚家具が入っているビルの場所にかってあった劇場で、戦前に東京新歌舞伎座として開場し、その後『新宿第一劇場』と改称したようです。この映画が公開された1958年に『新宿松竹座』となり、翌年1959年には再び『新宿第一劇場』に戻し、1960年には閉鎖廃座となっているようです(Wikipediaによる)。目まぐるしく変遷した劇場名の一つが貴重映像として記録されているということになりますね。

『松竹座』の位置が判ると、バラックが建っていた空地のロケ地(ビル建設予定地に建てられたオープンセットでしょうか?)も推察できます。現在のトヨタ東京カローラやウインズ新宿のあるあたりのようです。すぐ近くにある天龍寺の瓦屋根の門(現存)らしきものも映っていたので、間違いはないと思います。撮影時期と同じ頃の古写真にも甲州街道と明治通りに囲まれた三角状の場所には大きな空地が残されているのが確認できました。

まだ発展途上の南口繁華街だったとはいえ、ロケ撮影は大変だったのではないでしょうか。
その他、当時の歌舞伎町コマ劇場前広場、戸山ヶ原(戸山ハイツ)の箱根山・戸山教会、旧四谷見附橋などでもロケ撮影されており、当時の風景も興味深いものがあります。
追い立てを食らった住人たちが捜し当てた眺めのよい高台の空地のロケ場所は、残念ながら判りませんでした。

佐田啓二と高千穂ひづるのオモロイ夫婦振りが傑作だった「夫婦合唱」(1959年)。佐田啓二のコミカルな役柄はやはりイイですね。
この映画では赤坂プリンスホテル旧館(旧李王家洋館)外観と庭園がロケ撮影されていますね。高千穂ひづると渡辺文雄が庭園内に配置された的に矢を射るシーンがありましたが、当時は実際に弓道練習場として利用されていたのでしょうか?
周囲にはホテルニューオータニやプリンスホテル新館などの高層ビルはまだなく、豊かな緑と広い空が広がって長閑な雰囲気ですね。
大阪のロケ地ではご存知通天閣と共に、中央の尖塔が印象的な旧大阪裁判所赤レンガ建物(解体建替)なども撮影されていますね。この建物の外観デザイン、結構好きですね。「河口」(1961年)でもロケ撮影されていました。

「はりきり社長」(1956年)から久慈あさみの社長夫人が登場して大活躍、ご自慢の歌も披露してくれますね。
この映画の中で森繁社長と小林桂樹がやりとりする屋上シーンがあります。その背景に山田守設計(京都タワーや日本武道館で有名)の旧東京中央電信局の建物が映し撮られていますね。俯瞰で判りづらいですが、お茶の水聖橋のデザインモチーフと同様、尖頭アーチを多用した独創的なフォルムの建物です。1969年に解体されたとのことなので、この映画の撮影当時は現役だった訳ですね。実際に見てみたかった。

「三羽烏再会す」(1956年)ラストシーンでは、同氏設計の旧東京逓信病院屋上が使われていました。当時の東京は高いビルが少なかったため、空が広々として実に爽快な屋上からの眺めですね。

「一等社員 三等重役兄弟編」(1953年)でも、森繁支店長と小林桂樹が屋上でやりとりするシーンがありますが、二人の背景に京橋のランドマークだった旧第一相互館(建替えられて現第一生命相互館)のドーム屋根がある赤レンガ建物がバッチリ映し撮られていました。この建物、戦前映画「女人哀愁」でも入江たか子・佐伯秀男二人の屋上シーン背景に映っていました。
いずれも、やはり絵になる背景、建築だったためかもしれません。

「東京チャキチャキ娘」(1956年)で中村メイ子が“ひとり言の丘”といっていた場所は、どうやら現在の羽根木公園(小田急線梅ヶ丘駅前近く)で、公園として整備される前の貴重な映像のようです。踏切の注意看板に北沢警察署と書いてありましたし、小橋が架かっていたのは現在緑道となっている北沢川のようです。丘下の住宅街、商店街の風景も、「驟雨」と同じ頃の撮影ということで興味深いものがあります。
 

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